CHAPTER4|OTHER LEAGUSE FCポルト 

(4−3−2−1)

○11
○9         ○10

○7         ○8
○6

○2   ○3  ○4   ○5

○1

メンバー表(07-08)

番号 選手名
1 エウトン
2 フレーシ
3 P.エマヌエル
4 B.アウベス
5 ボジングワ
6 P.アスンソン
7 メイレレス
8 L.ゴンザレス
9 クアレスマ
10 セクティウィ
11 L.ロペス
監督 フェレイラ

07-08シーズンのCLを見ていると、いよいよシステムはひとつの形に決まってきた印象がある
・まず最終ラインは4バック、そして中盤に同じく4人セットの防御ライン
 この2本のラインは確定的になってきている
  →あとは、2トップか1トップか、ディフェンスと中盤にフォアリベロを入れるか、トップの間に1トップ   下を起用するかだ
・2トップを並べた4-4-2はどうしても点が欲しいゲームに限定され、多くは1トップを採用している
  →つまり、1トップ+4人のライン×2が常態で、あとひとりを4人×2の間か、1トップの背後かという   選択肢が残るだけだ
・例えば、チェルシーバルセロナはMFとDFのラインの間にエクストラのひとりを置く
  →マケレレヤヤ・トゥーレ
・1トップ下を置くのはローマ

横幅を守るのに4人が適当なのは、すでに長い歴史の中で証明されている
・3人では少なく、5人は十分だが少々だぶつく
 つまり、4人×2の確定は、その2本のラインが支配するピッチの横幅×20メートルほどのゾーンを確実に、 かつ無駄なく守るための結論といっていい
  →そこで浮かび上がるのがウイングプレーヤーの重要性だ
・70年代までは花形ポジションだったウイングも、80年代に入ると減少の一途をたどり、ウイングバックとい う名のサイドバックが取って代わる
 さらに、ベッカムに代表されるクロッサーがサイドに現れる
・ところが、90年代から徐々に本格派のウイングが見直されはじめた
 21世紀になると運動量が豊富で守備の出来るドリブラーウインガーの発生で”市民権”を得るに至った
  →中盤の4人のラインで重要な守備ブロックを形成する以上、サイドプレーヤーにも当然守備力は求められ   るのだが、ただ守れるだけでもダメなのだ




MFが横並びである以上、パスコースは横には多くても縦には少ない
・前に1トップのみなら余計にそうなる
・せっかくボールを奪っても、前に人がいないのでカウンターが出来ない
 そこで現代のサイドプレーヤーは、自ら縦へ走って攻撃に”深さ”を作らなくてはならない
 中盤でサポートについた味方へなるべく早くボールを預け、鋭いダッシュで敵陣へ入っていく必要がある
  →ただ、それすら難しい状況もある

FCポルトの場合、クアレスマのドリブルが閉塞状況を打開している
・彼はドリブルで縦へボールを運び、その間に味方が押し上げていく
  →多彩かつ奇想天外なトリックは、ウイングの名産地であるポルトガルならでは
・C.ロナウドやナニにも共通する資質である
 1トップにドロクバやトッティのいないチームは、ボールの預けどころがないので、特にサイドプレーヤーが 前にボールを運べるかどうかは死活問題になるのだが、その点でポルトガルは人材が豊富なのだ

ポルトガルのサッカーはちょっと遅れているところがある
・それゆえに伝統的なウイングプレーヤーが根絶やしにならなかった
・伝統的なテクニックやドリブルの上手さが、現代サッカーの要請に思わぬところで合致しているのが面白い