批判を気にしない方法(You Tube)

低俗な人々は偉人の欠点や愚行に非常な喜びを感じる
[ショーペンハウエル]



「高血圧症に悩む人々に共通した性格と言えば、すぐに他人を恨むことである。
他人への恨みが慢性化すれば、慢性高血圧症と心臓病に結びつく」と、雑誌「ライフ」は述べています。
医師たちの常識からいって、心臓が弱っている時には、怒りを爆発させたとたんに死ぬこともありえます。
私たちが敵を憎むことによって精力を使い果たし、神経質になり、容貌が衰え、心臓病に冒され、命まで危うくしていると知ったならば、彼らは手を打って大喜びをするのではないでしょうか?



私たちは聖者と違って、自分の敵を愛するのは無理かも知れません。
けれども、自分自身の健康と幸福のために少なくとも敵を赦し、忘れてしまいましょう。
これこそ賢明というものです。



孔子も言っています。
「虐待されようが、強奪されようが、忘れてしまえばどうということもない。
1分間たりとも無駄にしないために嫌いな人について考えない事です」



現在の私は、一般の人々が他人の評判などには無関心だということを知っています。
人間は朝も昼も、そして夜中の12時過ぎまで、絶えず自分のことだけを考えています。
他人が死んだというニュースよりも、自分の軽い頭痛に対して1000倍も気を遣うのです。
たとえ欺かれ、馬鹿にされ、裏切られ、背中にナイフを突き刺されても、親友中の親友によって奴隷に売られたとしても、そのために自己憐琳に陥るのは愚の骨頂です。



はっきりさせておきたいのですが、私はあらゆる批判を無視せよと言っているのではありません。
不当な非難だけを無視せよと言っているのです。
小人はちょっとした批評に対しても逆上しますが、賢い人は自分を非難し、攻撃し、論争した相手からも学ぼうとします。
敵から自分のことや仕事について非難されるのを待っていないで、彼らを出し抜いてしまいましょう。
私たち自身が自分に対する冷酷な批評家になろうではありませんか。
敵が一言も言わないうちに、自分で自分の弱点を見つけて直しましょう。



ペンジャミン・フランクリンは毎晩自己反省をして、13の重大な過失を発見しました。
そのうちの3つを挙げると、時間の浪費、小事にこだわる事、他人に難癖をつけたり、反論したりすることでした。
賢明なペンジャミン・フランクリンは、これらの欠点を取り除かない限り、あまり向上できないことに気づきました。
そこで彼は、まず第一の欠点と1週間連日戦うことにして、この毎日の激しい戦いで、どちらが勝つか記録をつけました。
第2週には、第二の欠点を取り上げ、ゴングと同時にリング狭しと格闘を演じました。
このようにしてフランクリンは、自分の欠点との戦いを2年間続けたのでした。
彼がアメリカで最も敬愛され、第一に模範とされる人物となったのも決して不思議ではありません。



「我々の敵の意見は、我々に関する限り、自分自身の意見よりも真実に近い」
と、ラ・ロシュフコーは言っています。



不当に非難されたと感じて怒りが込み上げてきた時、それを制してこう言うのです。
「まてよ・・・・俺だって完全無欠な人間ではないからな。
アインシュタインだって、回数にすれば、90%も誤っていたと告白しているくらいだから、おそらく、俺も回数にして少なくとも80%は間違っているかもしれない。
この非難は当たっているかもしれないぞ。
そうとしたら、むしろ感謝すべきだ。
そして、それを有効に役立てるように努めるべきだ」



もし、私に権限があれば、次に紹介するウィリアム・ボリソの言葉を銅板に刻んで全国のあらゆる小学校に掲げることでしょう。
「人生で最も大切なことは利益を温存することではない。
そんなことは、馬鹿にだって出来る。
真に重要なのは、損失から利益を生み出すことだ。
このためには明晰な頭脳が必要となる。
そして、ここが分別ある人と馬鹿者との分かれ道となる」