CHAPTER1|PREMIER LEAGUE マンチェスター・ユナイデット

(4−4−2)

         ○10  ○11


○6   ○7  ○8   ○9


○2   ○3  ○4   ○5

             ○1

メンバー表(07-08)

番号 選手名
1 ファン・デル・サール
2 エヴラ
3 ヴィディッチ
4 ファーディナンド
5 ブラウン
6 ギグス
7 キャリック
8 スコールズ
9 C.ロナウド
10 テベス
11 ルーニー
監督 ファーガソン

ハードワークの伝統

  • 07-08シーズンの特徴
    • ハードワークの重要性がますますはっきりしてきた事
    • プレミア勢の優位という現象にも、はっきりと表れている
  • イングランドのサッカー
    • 元々、ハードワークに強みがあった
    • 66年イングランドW杯で優勝して以来、フォーメーションは中盤をフラットにした4-4-2が主流
    • イングランドの4-4-2の中盤は横並びで、4人のMFは単純に地域を分担している
      • 攻撃的、守備的という役割の違いがあまりない
  • 南米のチーム
    • 攻撃のコンダクターでストライカーである”ナンバー10”のポジションがある
    • 反対にDFラインの前で守備に比重を置いた”ボランチ”がいる
    • また、両者の中間的な役割を果たす”8番”もいる

 

  • 10番とかボランチは、場所ではなくプレーの内容を表した言葉
    • どこにどの選手がいるかというよりも、それぞれの選手がどういう役割をこなすかに違いがある
      • ところが、イングランドの横並びのMFは中央か右か左かという場所の違いがあるだけである
      • もちろん、中央とサイドでは求められるプレーの内容が違うので、それに向いた選手を配置する
      • だが、自分の担当地域では攻撃も守備もこなさなくてはならない

  • ハードワークのサッカーには、最低8人のハードワーカーを必要とする
    • 理由は単純で、ピッチの横幅を守るための適正人数が4人だから
    • 4バックの前面でMFが守備をするにあたって、ピッチの幅が同じである以上、適正は4人という事になる
      • 4人×2ライン、これが現在のスタンダードだ
  • しかし、守るだけでは試合に勝てない
    • MFだけでなくDFも、とくにSBは攻撃に参加しなければならない
      • 守備時にポジションに穴を空けず、球際を激しく競り合い、ボールを奪ったら攻撃しなければならない
    • そこで選択肢がある。攻撃力を優先するのか、守備力を優先するのか?
      • チーム事情によって、どちらかを選択することになる

天才を走らせる天才

  • チェルシー
    • MFにはバラックランパードという攻守を高いレベルでこなせる選手がいる
    • 両サイドには攻撃型のJ.コール、マルダといった選手を使っている
      • 彼らも守備時には深く引いて守れる可動域の広いハードワーカーである
  • マンチェスター・ユナイデット
    • 攻守のバランスが完璧に近い選手を獲得しようとはしない
      • マンUが狙うのは、すごく攻撃の才能があるが、全くの荒削りで、チームプレーなどに関心があるのかどうかさえわからない若者たちである
      • ここ数年に獲得した選手は、入団時点では未知数だった(ルーニーテベス、ナニ、C.ロナウド
  • ファーガソン監督は、天才を馬車馬のごとく働かせる手腕で天才なのだと思う
    • 入団一年目、不調のC.ロナウドを故郷のマデイラ島へ返した
      • 特別休暇を終えて戻ってきたら、彼は現在のC.ロナウドになっていた
      • 過去にも似た例があるが、暇をやったり、叱りとばしたり、なだめたり、処方箋は一定ではない。

進化するスタイル

  • チームスタイルは、スター中心の攻撃型であることに変わりはない
    • かつては、強いのだがどこか勝ちきれないところがあった
      • 07-08シーズンは、その点で進化している
      • 圧倒的な戦力で押しまくり、大差で勝利するスタイルを基本にしながらも、CLでは実に手堅いプレーで僅差勝利も狙うようになった
  • 07-08シーズン 
    • バルサとのCL準決勝
      • 2試合とも守備的な試合運びだった